「誰?」 とりが、その声の主に声をかけた。 『おっと、悪い悪い、盗み訊きをしていた訳じゃないが、何とはなしに話し声が 聞こえていたのでな。』 「なんだ、Shadeか」 『なんだとは、随分とご挨拶だな。』 つっけんどんなやり取りではあるが2人の仲は別に悪くはない。 『ふむ、そうか、やはりお前もそう感じているか』 『ええ、部長。俺も最近の音楽のワンパターン化、感動一直線な路線には辟易と していたところです。』 Shadeは、わずかに口を歪めてそう言った。 『魅せてこその音楽、燃えてこその音楽、楽しませてこその音楽、 CD-DAだけが能じゃない、効果音までもが一緒になってゲームを突き動かす。 それが音楽だ。』 淡々としゃべってはいるが、その声には熱意がこもっていた。 『音楽は、涙を流すための道具じゃない。変に芸術家を気取る奴等を俺は認めない』 「Shade・・・あんたそこまでまで思っていたなんて」 とりが、やや驚いた顔で言った。 『既に音楽家としてのプライドを賭けた戦いは始まっているんだ。俺は奴等には 絶対に負けたくない。』 TADAが野望を秘めた顔つきに変わった。 『フッ、Shadeよ、俺はこれからエロゲ界の秩序を守るべく、戦争をしかける つもりだ。勿論、戦うからには天下は俺達の物にさせてもらうがな。 その為にはまず…』 『ええ、次の作品では面白い仕掛けを作ってますよ。』 Shadeも不敵な笑みを浮かべた。 『おい、スパイ斉藤、おにぎりくんと、ちょも山、織音、 ふみゃを呼べ。』 スパイ斉藤と呼ばれる人物が音も無く現れ、 「はい、分かりました」 そして、影も無く立ち去った。 『それと、まずは目先の事か。とりよ、例の「姫ゲー」の方はどうなっている。』次を読む
【TOP】