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■コミぱ前夜・池袋■〜leaf vs key リレー仮想戦記 ■コミぱ前夜・池袋■

「久しぶりだね、甘露君」 
イベントを翌日に控え、 
少し早めに帰途についた甘露は、 
街角でよく見知った男性から声を掛けられた。 
年は40代前半。風采の上がらない、どこにでもいそうな男。 
だが、彼こそがアーベルの菅野と並び称されるもう一人の英雄、 
エルフの蛭田昌人、その人だった。 
甘露と同じF&Cスピンアウト組ということもあり、 
面識も全くないわけではない。 
だが…こんなところで会うのは、あまりにも不自然だった。 
「何か…ご用ですか?」 
「用も何も…君に会いたくてね」 
「なぜ、僕なんかに…」 
「君が欲しい」 
「ひ、蛭田さん、僕にはそういう趣味は」 
「何を勘違いしているんだね、君は。 
変わらないな、そういう純真なところは」 
「は、はぁ」 
バツが悪いのか、甘露は少し顔を赤らめた。 
ちなみに、筆者はやおいが書けないので、 
これ以上は余計な心配だったりするが…。

「欲しいのは君の絵だよ、甘露君」 
「蛭田…さん?」 
「あんな生意気な女と一緒に働くのも…正直疲れただろう」 
「…」 
甘露は答えない。 
「どうだね? エルフで原画を描いてみないかね?」 
躊躇なく、蛭田ははっきりとそう言った。 
しばらくの沈黙の後、甘露は答えた。 
「…お断りします。僕たちにはまだ、仕事が残っています」 
「…ま、急ぎはしない。答えはいつでもいい」 
蛭田の顔に落胆はなかった。 
「私は気が長い方でね、欲しい人材は気長に待つのさ。 
菅野の泥棒ネコと違ってね」 
「…すいません」 
甘露は、そう答えるのが精いっぱいだった。 
「次に会う時には、いい答えを期待しているよ。甘露君」 
「…はい」 
それだけ言って、2人は別れた。 
そして、その光景を見ている一人の女性がいた。 
「ポチのくせに。むかつく…むかつく…ちょーむかつく!」 
みつみ美里、その人だった。

甘露の姿が見えなくなってから、 
蛭田はおもむろに携帯電話を取り出した。 
「私だ。…社長を頼む」 
数刻あって、蛭田はおもむろに口を開く 
「いい話をありがとう、あきら君」 
『いえいえ、社長こそ、相変わらずお口のうまい』 
電話の相手は、ちぇりーそふとのあきらだった。 
『彼に野心を持たせるためには、あなたの力が必要なのです』 
「菅野のような必要以上の野心は、私にとっては毒だがな。 
まぁ、彼の場合は野心を持つくらいで十分だ 
それにあきら、私はもう社長ではない」 
『これは失礼…。それにしても、まさかあなたが協力してくれるとは…』 
「協力…かどうかは判らんがな。…もっとも池袋には、 
菅(宗光、ビ・ヨンドのシナリオ)を引き抜かれた恨みはあるが」 
『なるほど…あなたもあそこには恨みが…』 
「いや、それとは話が別だ。 
私は彼が欲しい。あんな絵描きはめったにいない…」 
電話を握る蛭田の目は、熱病に冒されたかのようだった。
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